窯作り、長野へ!

先月のこと、ある味噌屋さんから一本のお電話を頂きました。長野県安曇野市にある「丸山味噌醤油醸造店」さん。明治33年の創業以来使っていた窯が壊れてしまったため、新しく作って欲しいとのご依頼でした。
しかし味噌の窯作りは初めてのこと、一度はお断りしようかと思ったのですが、仕込みをしなければいけない大切なこの時期に、肝心の窯が使えずどうにも困っている様子のご主人に、SOSに近いものを感じてとりあえず下見に伺うことにしました。
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困っている様子のご主人と、とても使える状態にない窯。放っておける訳ありません!お引き受けすることにして、親方と共に後日泊り込みで伺うことにしました。
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1900年から代々続く老舗の味噌・醤油醸造店。梁についたカビ(麹菌)に歴史を感じます。

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甑(こしき)という穴のあいた桶を大きな羽釜にのせて豆や米を蒸すという、昔ながらの製法で味噌作りをする為に五右衛門風呂の構造が必要という事で今回ご依頼頂きました。五右衛門風呂と同じ構造とは言っても初めての窯作り、釜やこしき、材料で総重量は4~500kgは超えますから、それに耐えられるような作りや熱効率を考える必要があります。かなり頭を捻りましたが、完成した「五右衛門窯」に喜んで頂けた様子で何よりです!

そして頂いたお味噌がとても美味しかったです。私の実家の母が、東京生まれなのになぜか信州味噌が好きで、子供の頃いつも食べた信州味噌の味噌汁の味を思い出し、懐かしくなりました。
丸山味噌醤油醸造店さま、この度はありがとうございました!